『健人の失敗?』|狂愛劇場

「あああああ!! なんで!?」
「!? 何!?」
 珍しく声をあげる健人に、驚きを隠せない。というか、私は別に驚きを隠すことは普段からしない……。
「あっ……すみません、お嬢様がいらしたこと忘れていました」
「私そんなに影薄い?」
「いえそういうわけでは……」
 そろそろ何があったのかを聞き出したいが、話を逸らされそうな予感がする。……ので、もうここは、はっきりバッチリ聞くしかない。
「で、どうしたの? 珍しいじゃない健人があんな大声出すの」
「あー……いえ、別に大したことでは……」
「珍しいんだから大したことあるわ」
「う……」
「何?」
 とりあえず聞いて聞いてき聞きまくれば、押しに弱い健人は話してくれる。それはずっと一緒にいる私はとうに知っていた。きっとルイス様も知っている。
「いえ、あの……。非常に申し上げにくく……」
「言 い な さ い ?」
「えぇ……」
 圧。こんな反応をされたら、何が何でも気になってしまう。
「実は…………」
 口を開く健人。そして――……
「クレア、健人、いるか?」
「あっ、ルイス様……!」
「む、」
 いいところでルイス様が部屋に入ってきた。
「……? えっと……お取り込み中だった?」
「いいえいいえ全然! 全然取り込んでません! なんでしょうかルイス様!?」
「あっ! 健人ずるい!」
「?? いや、ちょっと二人に聞きたいことが――……あったんだけど……」
「聞きたいこと! どのようなことで!?」
「健人おおおお!!!」
 ルイス様の登場に乗じて健人は全力で話を逸らす。私も全力でルイス様に何かがあったことを伝えたかったが、ルイス様はどうやら健人の味方らしい。
「もー! ルイス様ぁ!」
「はははっ」
 ルイス様がいじわるそうに笑う。健人と私も、なんだかんだ楽しいと思い笑う。こんな日常は、嫌じゃない。